雪組「ひかりふる路 / SUPER VOYAGER!」感想

拝啓 望海風斗様

思えば、わたしの目の前に初めて現れたタカラジェンヌはあなたでした。
片手に手錠をぶら下げて「俺はもうとっくに死んだんだ!」と叫んだあの時から、わたしはこの絢爛豪華な世界に魅せられていました。
この度、ついに舞台の中心として大きな羽根を背負って希望の海へと出航されました。
雪組へ異動し、二番手羽根を背負ったところからではありますが、その姿に魅せられご活躍を応援してきた者として感無量です。本当におめでとうございます。

 

……という訳で前置きが気持ち悪くなったけど、新雪組トップスターのだいもんこと望海風斗さんの大劇場お披露目公演「ひかりふる路 / SUPER VOYAGER!」を観てきました。
初観劇は2014年の花組エリザベート、気付いたら宝塚ファン歴4年目に突入。雪組担に育ちました蛙田です。
ネタバレしない程度に感想を書き連ねます。

 

 

ひかりふる路 〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール

歌のうまい人が歌のうまいパートナーを迎えて、名曲を歌ったらこうなりますよね、に尽きる。
トップふたりの歌がうますぎて、途中から一流アスリートを見ているような気持ちになりました。

タカラジェンヌサイヤ人だとしたらトップふたりはスーパーサイヤ人。それが全力で戦っている。もはや戦闘力5の我々一般地球人はひれ伏すしかない。
「歌がうまい」ってどういうことなんだろうって真剣に考えてしまったもん。
音程の確かさやビブラートなどの技巧、声量や声の質といったフィジカル要素、歌に感情を乗せる演技力など歌のうまさの要素は数あれど、それだけでは説明しきれない何か。身体から衝撃波的なやつが出てるんじゃなかろうか。……やっぱりスーパーサイヤ人じゃん!

 

そして、もちろん他の雪組生たちもグイグイ攻めてくる。前回公演で頼れる上級生がごっそり退団したプレッシャーもあっただろうに(だからこそか)、若手も中堅もみんな自分を出し、さらに悟空に元気玉を撃たせにきてる。

それにしてもロベスピエール
恐怖政治をして処刑しまくり、最期は自分も処刑された人が主人公。一幕物なこともあり、人がばんばん死んでマダム・ギロチン大忙しであるよ。
冷静に考えるとこれがトップお披露目公演ってどうなんでしょう?となるけど、後半の転落っぷりや狂気やダメさも含めてこれが望海風斗の持ち味だ!となるのでオッケーでした。
オーシャンズ11アル・カポネ、ドン・ジュアンといった黒だいもんの集大成。

 

 

SUPER VOYAGER!

 で、芝居の救いのなさを一気に逆転する、希望に溢れたショー。楽しすぎた。

東京公演の初日(1/2)に、先に行われた宝塚公演の様子をショーのみBSでノーカット放送という異例のパターンだったけれど、番組は見ずに観劇しました。(帰宅してから再生したのは言うまでもない)

 

目玉はポンポンを使って客席も一緒に躍ろう♪というやつ。
わたくし本業(アルフィー)で鍛えられているので、事前にポンポンを購入して振りをばっちり練習して臨みました。B席だからか周りのポンポン率は少なめ。使うの一瞬だったし、小道具を使う客席参加型の演出は宝塚的にはまだ試行錯誤の段階なんだろうなあ。個人的には大好きだけど色んな人がいますしね。
わたしの隣にいらした年配のご婦人が、ポンポンは持っていなかったし照れた様子だったけれども完璧な振りで踊ってらしたのがチャーミングでした。お家で練習したのかと思うと胸熱……!

 

以下、気になったポイントを順不同で。

 

全体に若手の見せ場が多い。中でも「男A」ポジションというの?男役の二番手三番手の次のいい感じポジションに縣千くんがきたぞー!
ひとこ(永久輝せあさん)の横のいる、ダンスにキレのあるイケメン誰!と思ったらそうでした。好きです。

 

ロケットは見たことのないパターン。ファン歴が浅いのでこういうのアリなのね!と新鮮でした。センターに見慣れない人がいる……と思ったら、組替えしてきた綾鳳華さんでした。Welcome to ようこそ雪組
同じく組替えの朝月希和ちゃんは「MY HERO」のギャル役がとてもよかったのでそれを思わせる明るい感じがよかったです。これから色んな役を見たい。
そして組替えといえば忘れてはならないあーさ(朝美絢さん)。
聞きなれない声の歌うまさんがいるなあと思えば大体あーさでした。
れいこ(月城かなとさん)との同期トレードは一体なんなんとか思ったけど、ツイッターで「それぞれに合ったトップのもとに行った」と書かれていたのを見て深く頷いた次第です。つまりはこれからもどうかよろしくね!

 

なぎしょー(彩凪翔さん) は今回のギャップ大賞。

ひかりふる路ではまさかの女役かと思いきや、ショーでは最高にオラついてる。女役のときの胸の谷間、2階席からオペラグラスでガン見しちゃったよ。あの谷間はどこから出てきたんでしょうかね?(倍率の高いオペラグラスがやっぱり必要だと思った瞬間)

 今回ついに二番手羽根を背負ったご贔屓のさきちゃん(彩風咲奈さん)。

とにかく自分がトップとは違う個性で全力で輝くことで、トップの支えになっていきたいと言うようなことをインタビューで語っていた(原文見つけられませんでした)のも納得の勢い。特に踊り。昨年の「ネモ 踊るキャプテン」(※タイトル違う)もよかったし今回もソロで踊るシーンが多くて眼福です。

これ言うと双方のファンから怒られるだろうけど、スーツで踊るときの腰つきに桜井賢と同じ種類の色気を感じる。大好物です。

 

だいもんは本当にだいもん。

ショーの途中、オラオラしていて花組育ちってこういうことか!と思うシーンがありました。

CONGA!の蘭寿とむさん、映像でしか見たことないけどそれに近いものを感じたというか。こういうのは長年見ているほど思うところがあるのだろうなあ。長いファンの方もおめでとう!

次の雪組公演の、藤井先生によるラテンショーも楽しみだなー!


他にも色々あるけど収拾がつかないのでこのへんで。勢い余って書き連ねてしまい、何年か前にアカウントだけ取りながらも使ってなかったブログにアップしてしまった。
望海さんもそんなことある?

 

*すでにオペラグラスの記事をアップしてるけど書き始めはこっちが先でした