ナンキンハゼの実からろうそくを作った記録 その2

その1はこちら↓

ナンキンハゼの実からろうそくを作った記録 その1 - 蛙の掃き溜め

 

翌週の日曜日、一緒に実を集めた友達と、もうひとり小1男児がわが家に集合。

1週間の間に公園に通って実を集めたそうで、大きなビンに白い実をぎっしり詰めて持ってきた。(これも写真撮っておけばよかったな)

 

下準備

ナンキンハゼの実は堅い殻におおわれているので、まだ殻に入ったままのやつを剥く。ハサミで軽く割れ目を入れてから手で開くやり方がやりやすかった。種は小さく子供の手には力が要るので、結局わたしが一番剥いた。この時点ですでに軽率な言動を後悔し始めているのであった。

殻が剥けたら実を洗う。きちんとしたろうそくを作るなら丁寧にゴミを取るのだが、とりあえず火がつけばいいので適当。

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手順

手順は以下のとおり、とてもシンプル。

  1. 洗った実を鍋に入れたら、水を入れて火にかける。
  2. しばらく煮て実が柔らかくなったら、白いロウの部分と種を分けて種を取り除き、ロウを溶かす。
  3. 冷ましてロウが固まったら取り出す。
  4. 湯煎してロウを再度融かし、凧糸の芯とともにアルミカップに入れて成形してできあがり。

参考↓

ナンキンハゼの種子でロウソクを作ろう │科学実験データ│科学実験データベース│公益財団法人日本科学協会

道具は鍋、ザル、ボウル、泡立て器、あくすくい、アルミカップを100均で調達。

 

そして煮る

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鍋が煮立つにつれ、味噌汁みたいな色になってくる。

ぐつぐつぐつぐつ

途中、水を足しながらひたすら煮る。

……柔らかくならねえ。

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子供4人の相手をしながら鍋をかき混ぜ続けること1時間、ようやく少しずつ中の種が見えてくる。でもまだまだ実は固い。

お腹すいたコールに負けて昼食にする。鍋にかかりきりでキッチン作業ができなかったので、オーケーストアでピザを買っておいて正解だった。ありがとうオーケー。

このあたりで子供の友達のお母さん(と幼児1人)も合流。大人の手が増える心強さよ。

 

煮始めから3時間経過

かなりロウが浮いてくる。

参考にしたサイトでは、泡立て器でシャカシャカして分離させていたけど、これは効果なし。

ひとまず手作業で種とロウ部分を分離させることにしたけど、実が小さい上にヌルヌルしているので、きれいに取るのは子供の手には難しい。(中心の黒い種が直径5mm程度、その周りに厚さ2〜3mmのロウ)

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それでも頑張ってくれてこれだけ取れた。しかしまだほんの一部。誰だよこんなことしようって言った奴!(わたしだ)

なお実の白い部分を便宜上ロウと表記しているが、実際にろうそくになるロウの成分はこのさらに一部なのである。←ここはあとでテストに出ます。

 

だんだん雑になってくる

もっと効率を上げられないか色々試した結果、ポリ袋に実を入れて揉んで種とロウを分離させるのがいちばん楽だった。

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これでも種の周りにロウは残るし、袋にくっついた分のロスが出てしまうのだけど、もはや種が分離できればどうでもよかった。

子供らは飽きてきて「Nintendo Switchで遊びたい」と言いだしたが却下した。取れたロウを鍋に入れて再び煮込んだ。

ロウ成分が融けて透明な油みたいに浮いてきたら火を止めて冷ます。

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脂が固まった豚汁みたいな見た目だが、キッチンにはろうそくを吹き消した時の煙の匂いに土臭さが混ざったような匂いが漂っている。

固まったロウをすくったり削ったりして回収。鍋の底に沈んでいる実をつぶしてさらに煮込めば、もっとロウが抽出できたんだと思う。ただ我々にはもはや気力も時間もなかった。

 

成形

水を捨てて洗った鍋にロウを入れ、湯煎にかけて融かす。

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写真左下にたまった透明な液体がロウ成分である。(茶色いのは煮汁の残り)

お分かりいただけるだろうか。これだけ手間と時間をかけて、取れたロウはほんのちょっとなのである。

作業している小学生が3人なのでアルミカップに3等分すると、ひとつあたり小さじ1くらいの量。鍋に残って取りきれないロウを、切った凧糸でぬぐって吸い取ってからアルミカップに入れて芯にする。アルミカップの外側を氷水で冷やしてロウが固まったら完成。

この時点で、もうひとりの子のお母さんと弟ふたりも合流して大人3人、小学3年生2人、小学1年生1人、未就学幼児4人という編成(しかも男児6人)になっている。バタバタで完成品の写真を撮り忘れた。

 

いよいよFIRE!

しゅぱっ

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火がついたー!

ちょうど誕生日を迎えたばかりの子がいたので代表して吹き消してもらい、ハッピーバースデーの歌もうたう。

比較としてロウをつけていない凧糸にも火をつけたけど、すぐに火がまわって焼失した。一方ナンキンハゼろうそくは小さな炎がゆっくり燃えていた。何より、吹き消したときの煙の匂いが馴染みあるろうそくのそれ。成功だ!

 

みんなでひとしきり盛り上がっていると、小3ふたりが言った。

「大きい方がいいよね」

そしてせっかく3つに分けたろうそくを合体させはじめた。融けたロウを別のアルミカップに注ごうとして……

 

 

 

こ ぼ し た

 

 

 

以上です。

なお無事だったのを持ち帰った小1のお母さんいわく、ほんのちょっとのロウでも3分もったとのこと。欲張らずに足るを知るって大事だね!(適当な結論)